シェアハウス専門ポータルサイトのスタッフによる、シェア生活を楽しむための探検レポートブログ。東京、神奈川、千葉、埼玉、 そして全国各地のシェア賃貸住居をひたすら探検する専門ポータルサイトの隊員達。明日はあなたの物件へ・・・!?
西新宿と、あなどるなかれ。
今回のシェアハウス探検隊は「OLIPO 西新宿」。
西新宿の一角には、東京都の都市計画に揉まれながらも、未だに昭和のまま残された風景があります。やがて起こるはずの大型再開発の影の中で、新しく建物がたつこともまずないこのエリアは、ツヤツヤと光る新宿のビル群とのあまりにも近い距離でのコントラストが鮮烈で、ぽつんと取り残された異次元空間のようにも見えます。
今回の舞台も、まさに西新宿のビル群と通りを挟んで対峙する、いかにも昭和の香りただよう渋い建物。1階もまた、実に渋い定食屋です。
築年数の古さを逆手に取り、好奇心旺盛なちょいワル30代にグッときそうなディテールを持ちつつも、設置された各種の家具・備品類は基本要素を繊細におさえる、実は優等生な充実ぶり。
その共存の仕方がなんとも人が良さそうで、愛らしいのが個性ではないかと思います。
靴のまま歩ける館内に、少し荒っぽいコンクリートを剥き出しにした壁。
しなやかに曲げ加工されたねじなし電線管(通称:E管)を這わせた天井に、船舶用の無骨なランプ。
万人受けするデザインではありませんが、新宿界隈を主戦場とするビジネスマン・ビジネスウーマンの中には、気になる方もいるのでは。新宿近辺にお勤めならば、社内でもダントツの職住近接実現に太鼓判が押せます。
オレンジのタイルが特徴的な建物の、2-4Fがシェアハウス。甲州街道と青梅街道を結ぶ少し大きめの通りに面しています。
1Fに飲食店舗が入っていて、5Fの一部はシェアでなく昔からお住まいの方が使用する一般賃貸の部屋になっているそうです。
西新宿駅へ向かう際に横断する前面道路の道幅は広いのですが、交通量はさほど多くありません。ただし信号待ちはちょっと長めで、渡るのに少々時間がかかるかも知れません。
1Fが店舗なので、建物の脇を通って2Fの正面玄関へ向かいます。
アプローチは建築現場で使われていた足場板を用いて改修されているそう。
ちなみに、階段のステップにも足場板が貼られています。
階段を上がって右手を向くと正面玄関です。
板チョコのような玄関ドアは、改装前の物をそのまま利用。
凛々しいかどうか判断に迷うドアノッカーのライオン(たぶん)も警護を続けています。
ただ、ライオンの仕事はドアノックのみ。
インターホンはカメラ付き、玄関の鍵はナンバー式のオートロックになっていますので、にらみもノックも悲しいかな、使われないかも。
では、ライオン(たぶん)には触れることなく、お邪魔します。
玄関のドアを開けると、足下から奥に向けてカーペットが伸びて、靴を履いたまま自分の部屋まで行けるようになっています。
左手にリビングがあり、正面に見える黒板は入居者さん同士の連絡に使えるようになっています。
館内はシャワーなど水まわり設備以外は土足OKですが、リビングやキッチンなどを使用する際は、室内履きに履き替えてからの利用を推奨との事。
ちなみに、中に入って振り返るとこんな感じ。
壁際の布が掛かっているフックは、傘掛けだそう。
部屋ごとに用意されているので、自分のビニール傘がどれだか分からなくなるという事態も避けられます。見栄も面白いですし、かなりユニークな仕掛けですね。
郵便物は、外に1つだけ置いてあるポストから気付いた人が取り込むルールになっています。
ちなみに、各部屋への振り分けは行わなくて良いとの事。棚の上段に置いて各自で持って行くのだとか。
棚の上段の掲示スペースには、チェキ(インスタントカメラ)の写真が貼られています。
なんとチェキ(インスタントカメラ)は共用備品ということで、イベント時はその場ですぐにメッセージを書き込んで貼り付けられたりします。
そう言えばこれ、昔は滝沢君がCMしてたなぁ(ちょいワル30代)。
それでは、まずリビングを見てみます。
一番に感じたのは、とても静かだという事。
先程も触れた通り、甲州街道も青梅街道もほど近い西新宿の立地ではあるものの、リビングの位置が前面道路からは奥まっていて、建物の裏手は公園に面しているのです。
実はTVの奥の窓を開ければ、公園の遊具と柿の木が見えます。
窓の外に緑が見える上にリビングの天井が高いので、椅子に腰掛けてぼけっとしてみれば、最初の内は大きな家に住んでいるなぁ・・なんていう実感があるのではないでしょうか。
また、工業系のデザインが好きな人なら、天井を電子回路のように走り回る配管にも面白さを感じるかも知れません。カクカクしたコンクリートの躯体との対比も不思議な感覚。
椅子の背中側の掃き出し窓の外には、足場板を敷いた小さなバルコニーがあります。
お隣さんは壁を向けていますが、ちょっとしたスキマから公園の緑がはみ出してきています。
バルコニーの使い方も、工夫の余地はありそうですね。
一服したくなりそうな場所ですが、敷地内は全て禁煙。また、窓には虫除けに網戸が新設されています。
さてさて、キッチン側には空間を分けるように、カウンター・テーブルが用意されています。
基本はキッチンとリビングをつなぐ役目となりそうです。
モノを運ぶ時に一時的に置いたり、リビング側のチェアに腰掛けて、キッチンにいる人と話したり。イベントやパーティーでは、キッチン機能の延長として、作業台としても重宝しそうです。
立地柄「毎日自炊します!」なんて方ばかりでもないかもしれませんが、やりたい時は目一杯応えてもらえる設計ではないかと。
キッチンは機能的で、なかなかしっかりつくってあります。
長時間作業をする場合は、何気なく置かれたチェアが意外と良いのかも。
シンクは割とコンパクトですが、自炊には充分。おまけにガスコンロは超強力。
ガスコンロの下が食器置き場になっています。
バットの中に食器が入っていますので、引き出して使います。
鍋類はカウンター・テーブルの下に。
食器も鍋も、見ての通りの大充実。腕が鳴ります。
電子レンジは冷蔵庫の前にあります。
で、冷蔵庫は大型タイプが並んで2台。
ドアを空けると、部屋ごとにケースが用意されています。普段使用する分はケースの中に入れるということだとか。5人で1台を使える計算なので、まずまずゆとりのある容量かと。
2Fの入居者のみ別途専用の冷蔵庫が廊下にも置かれています。
また、部屋ごとに食材などを置ける収納もあります。
チェアや収納容器など細かな備品は、カラフルな色彩です。
続いてはランドリーを見てみます。
あれ、どちらに?
実は折り戸をパカッ!と空けるとランドリー。
こちらはコイン式。使うときだけパカッと空けます。
閉めてしまえば、音も結構静か。
続いて2Fのその他の設備を見てみます。
電子レンジの置かれた棚から、廊下の先を見ると右手に階段があり、左手にトイレと手洗い場、廊下の先は男性入居可能な201~203号室へと続いています。
洗面台の対面には2Fの入居者さん専用の冷蔵庫があります。
では、少し戻って。
2Fのトイレは男女利用可能です。
トイレの便座は新調されていますが、窓は建築当時のまま。
再使用に耐えうるモノは、機能を損なわない限り使うよう心がけたのだそう。
さて、こちらは2Fの廊下の様子。
手前から201、202号室、突き当たりが203号室です。2Fは男女どちらも入居可能となっています。
専有部の鍵もナンバー式なので、玄関と合わせて鍵を持ち歩く必要がありません。
なんと言っても、あえて駆体剥き出しのまま仕上げられた天井の粗っぽさが、個性です。
まずは201号室から。基本的な専有部の備品は全室同じです。
床のラグは冬期でも底冷えしないようにとの配慮で置かれているのだとか。ちなみに、ラグの下は少し荒っぽいタイルをはがしてそのまんま的な素材。もちろん手抜きでは無く、基本的には味として捉えられる方に住みこなして頂きたいものです。
各室にデスクとチェア、洋服掛けのセットが備わっています。
デスク上には、珍しくTVも置かれています。
テーブルの端にフックが用意されていたりと、使い勝手を考えた細かな配慮がユニークです。
鏡は照明とセットになっています。
天井は曲げ加工の施された配管。
パイプを曲げるには、中に砂をみっちりと詰めて、バーナーで炙ってゆっくり曲げると聞いた事があります。
しなやかな曲線はまるで職人技。
ドア脇にはシューラックが用意されています。
実は新設された電気のスイッチも、あえて無骨な形状のモノが選ばれています。
以上、おおよそ同じ備品が全ての部屋に置かれていますが、部屋の形や床の素材、天井の高さや窓の位置などは大きく異なるので、じっくり吟味する必要がありそうです。
続いてお隣の202号室。前面道路に面していて、2面採光になっています。
床はシックな風合いのボコボコとした味のあるフローリングで、なんと改装以前の状態のままなのだとか。これ、かなり良いと思います。
掃き出し窓の手前は収納スペースに。
梁にもポールハンガーが渡してあるので、収納力も高めです。
こちらは203号室。窓が大きめで、床もシックなフローリングです。
よく見れば、照明が部屋ごとに異なります。この部屋はおおぶりなシェードのタイプ。
窓は古さを残したまま。
レバーは鳥の顔に見えなくもないような。
開閉することは、ほとんど無いと思いますので、窓辺にちょっとした小物を飾っても良さそうですね。
さて、続いてはシャワールームと洗面台のある3Fへ。
壁に照明の色が反射して大変に怪しい色合いとなっていますが、現地は怪しくはありませんのであしからず。
階段を上がると、大きな姿見があります。
お出かけ前のチェックに重宝しそうです。
廊下を道なりに進むと洗面台があります。
正面に見えるドアの右側がシャワールームで、左側がトイレです。
床は玄関から続くタイルカーペットですが、建物の構造上、ちょっとしたスロープや段差が各所にあります。住み始めの頃はご注意頂ければと。
洗面台は棚板も鏡も横に長く、脇にちょっとしたものを置いておけたりと使い勝手は良さそうです。
こちらは男女共用になりますが、変身を伴うような重大な変更が行われる際には、4Fの女性専用フロアに設置された洗面台がオススメです。
ちなみに、シャワーとトイレのサインは、ナゼかフォントが異なります。
考えてもみれば、家の中の扉にキッチリとサインがあるのも、シェアハウスならでは。ワンルームや家族で暮らしているときには、シャワーやトイレのサインは必要ないですし。
では、シャワールームを見てみます。
やや好みの分かれるコインシャワーです。安価ながら利用の度にお金が必要で、ちょっと面倒な点があるのは確かです。
でも反面、利用時間が決まってくるのでシャワーが混み合うような事が起こりにくいのはメリット。また、水道光熱費が抑えられる上、結果的に利用量の多い人とそうでない人がそれぞれフェアに使えるとも言えます。
と、こういった特性を踏まえてあとは、各自ご判断を頂ければと思います。
あと1点、脱衣室について気づいた事を。
脱衣室の壁も廊下やリビングと同じく粗めの仕上げです。廊下やリビングは広さがあるので大丈夫だと思うのですが、ここではニットやシルクなど繊細な素材を引っ掛けてしまうとマズそうです。
慣れてくれば自然に注意ができると思いますが、最初の内は特にご注意を。
続いては専有部を見てみます。
洗面台の対面にある301号室。
スタンダードな四角い専有部で、使い勝手も良さそう。元は和室だそうですが、天井は抜かれ、床はモルタル仕上げなので面影はまったくナシ。
奥に見える窓からのぞく公園の緑は、とても西新宿とは思えない贅沢。
掃き出し窓の先は、専用のベランダです。
続いて302号室。
ここでも、窓の外の緑がポイントです。
また、ベランダが無い専有部については、室内干しが出来るよう金具が取り付けられています。
303号室の壁は、一面が緑に塗られています。
廊下側の壁には、廃材を使用した窓が。
磨りガラスなので廊下側からは中を見ることはできませんが、ぼんやり灯りがついていることぐらいは分かるはず。こういう気配の伝え方の工夫は、シェアハウスでは面白いですね。
窓側の壁は、大胆にはつった上から白く塗装されています。
梁を見ると、古き時代の落とし物がコンクリートに埋もれています。
建物に歴史あり。
細かな点を見ていると、住んでいる中でも色々とちいさな発見がありそうです。
3Fの廊下には外階段へ続くドアがあり、そのまま屋上へ出られます。
が、こちらの階段を上がると、女性専用フロアです。
洗面台の位置など水まわり設備に付いては3Fと一緒です。
食事の後には、2人並んで歯磨きなんてことも、きっとあるでしょう。
楽しいシーンを生み出す設計です。
洗面台の対面にある401号室。
ブラケット(壁照明)の形も部屋ごとに異なります。
やはりベランダ付きです。
上階だけあって、窓先の抜けも良好です。
ちょっとした作品が飾られた廊下の先にも専有部があります。
403号室はスカイブルーの壁です。
404号室は2面採光です。
前面道路に面して小さなベランダが付いています。
室外機を置くとスペースは殆ど無くなってしまいますが、物干しは可能です。
無骨なランプは船舶用だそう。
それでは、屋上に上がってみます。
3Fの廊下から5Fまで階段を上がると屋上へ出られます。
中野方向には高さのあるビルも多すぎず、見晴らしも抜群。
これから屋上で布団を干せるよう整備する予定とのこと。
そして、秀逸なのはシェアハウスの周辺環境。
驚くほど古い街並みが残っていて、商店街添いにはレトロな木造建築がひしめいています。
うーむ、素晴らしい。
ひっそりと裏手にある公園も、良い味を出しています。
そして通りを渡ればすぐに、大都会のビルディング。
なんたるギャップ。
カフェや飲食店も多く、食事処に事欠くことも無いでしょう。なにせ新宿ですから、何をするにもきっと、日本一不自由しないと思います。
意外にも目の前の通りは週末になると人も少なくなるので、静かに過ごせそうなところもほど良い感じではないかと。のんびりしたくなったら、新宿中央公園まで足を伸ばして、緑の中を散策するのも良いかも。
高層ビルと並木道のコントラストが、都会的贅沢時間です。
時間に余裕があれば、「歩く」も選択肢としてありではないかと。
さて、今回の「OLIPO 西新宿」、管理をされるのはシェアハウスの運営期間も長く、経験豊富な「株式会社オフィス・シントウ」さん。
長い経験の中で、かなり多くの方に会ってきていますよね?という何気ない質問に対して、「ウチはみんな長く住んでいて、あんまり入れ替わりがないから、そんなんでも無いのよ」と堂々のお答え。
入居者さんの平均入居期間が長いと言う事は、「居心地が良い管理」が行われていると言うこと。パーティーや取材でお邪魔した王子の「roman亭」でも、入居者さんからとても頼りにされているんだなぁという印象を受けました。
しかし、今回は従来の女性専用物件の路線とは一線を画し、初めての男女どちらも入居可能なシェアハウスとなっています。
西新宿という立地を考えても、女性だけよりも男女の区別無く入居出来た方が心強いし、楽しそうだからとの事。とは言っても、やはり運営面では熟考された様子。男性入居可能な部屋の配置や女性専用のエリアの用意など、工夫をされています。
で、最近の話題は、趣味のバイクについて。
入居者さんから見ると「東京のお父さん」的な存在ですが、(さらに)若かりし頃はバイク乗りだったのだそうな。結婚・子育てを機に手放されたとの事ですが、お子様も大きくなり、近頃あらためて購入されたのだとか。
ということで、今後は緊急時にはオレンジ色のバイクで駆け付けることが出来るようになったそうです。頼もしすぎます。
実はオープン直後に問合せが殺到して、2011年11月現在、OLIPO 西新宿は早くも満室。抑えめに設定された賃料も相まって人気は高そうですから、運良く空室を見付けた方はお問合せをどうぞ。
外壁には物件名のサインが下がっています。
由来は男女ともに入居ができるので、OLIVE&POPEYでOLIPOだそう。
斬新すぎ。
(サトウ)
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