シェアハウス専門ポータルサイトのスタッフによる、シェア生活を楽しむための探検レポートブログ。東京、神奈川、千葉、埼玉、 そして全国各地のシェア賃貸住居をひたすら探検する専門ポータルサイトの隊員達。明日はあなたの物件へ・・・!?
生活の中にある、一呼吸。
「しおり」
その語源は、山道などを歩く際、迷わないように木の枝を折って道しるべとする動作「枝折る(しおる)」なのだそう。
読み終えたページと、読み始めるページの間に挟まれた栞(しおり)。語源を知ると、なんだかそれがただの目印には思えなくなりました。
「今日は、ここまで。」そんな気持ちで本に栞を挟むように。日々の生活にも、一呼吸おく余裕が欲しいもの。
今回向かったのは、アンティークの雑貨店や古書店の多い街、西荻窪。そんな町並みから「栞 (しおり)」と名付けられたシェアハウス「SHIORI 西荻窪」です。
周囲をぐるっと住宅に囲まれながら、パラソルが似合う南向きのウッドデッキのある家。
玄関はというと、右脇の隙間の先、東側にあるようです。
隣接する住宅と共用のアプローチの先、玄関は通りから少し奥まった場所に佇んでいます。真っ白なそれは、ポスト。
白地に繊細な雰囲気のロゴが、上品です。
では、お邪魔いたします。
「ただいま」が似合いそうな、ゆったりとした玄関。正面に2つ並んだ黒色のドアは、左側が101号室、右側が浴室。そして廊下を左折した先にリビングがあります。
右脇に映り込んでいる棚は、靴箱です。
オープンラックですので、かかとがすり減った靴なんかは、肩身の狭い思いをしそうです。
壁に並ぶドットには、ナンバリングが施されています。
全7部屋ということで、7枚の棚板と、1,2,3...7と上から並んだナンバープレート。ただし最上段の「1」の棚に手が届くのは、かなり長身の方に限られそうです。こちらは男女可の物件、ぜひそこは譲り合いを。
ちなみに床に直に置くことになる最下段にはナンバリングなし。ここは高さに余裕があるので長靴やブーツの定位置となりそうです。
床には切り絵風のグラフィック。天井には、ステンドグラス調のペンダントライト。
よく見ると、渋めの品もちらほらと。
伺うと、以前この家に住まれていたおばあちゃんの持ち物が、たくさん紛れ込んでいるらしいのです。
室内側から見た玄関は、こんな感じです。
手書きのトイレサインが描かれている黒いドアは、当然トイレ。先ほどから黒いドアがたくさん登場していますが、すべて黒板塗装です。
壁を挟んで右側に見えるモザイクタイルも気になります。
さて、まずはリビングへ進みます。
とっても気持ちがいい、この抜け感。
柱の凹凸の味わいも、リノベーション物件ならでは。
リビングの奥には、今や新鮮な印象を与えてくれるちゃぶ台。
周囲を囲む丸い座布団は、ちゃんと部屋数分の7つあります。
居心地の良さは空間演出に留まらず。
実は、なんとリビングには床暖房がついています。
また、大画面のテレビは、ひかりTVに加入済みだそう。青いお猿さんのCMのやつですね。ということで、多くの映画や番組が無料で見られる嬉しい特典つき。
至れり尽くせり。
なんでしょう。リビングでの滞在時間を伸ばそうという魂胆でしょうか。
どうなんですか、リスくん。
年代を感じさせる渋い脚が付いたこちらのチェアは、やはり改装前からここにあったものだそう。アームレストの水色も、なかなか斬新。
そしてリビングの隠れた主役は、壁一面をおおう木製の本棚。
そう、この家の名前は「栞 -SHIORI-」。
シャンデリアの下で、本を読みふける光景が目に浮かびます。
オウムも見守る、シャンデリアの下で。
本棚にも、やはり先住者の面影をたくさん見つけることができます。
何度も読まれたであろう本たちは、かなりくたびれているよう。しかし同時に、とても大事にされてきた様子も伺えるのです。いたわりつつ、優しく扱いたいところ。
名作も多く、装丁を見るのもまた楽しそう。
「台所太平記」
あいにく存じ上げませんでしたが、映画化もされている小説のようです。
本棚に並ぶのは、本だけではなかったようで・・・
「乾杯」
なんと、若き日の長渕剛さんです、名曲です。
レコードはただのお飾りではなく、プレーヤーも備えられています。
コンパクトでかわいいプレーヤーは、なかなかの活躍をみせてくれそう。
前の柱に留まるフクロウも、音色に耳を傾けているような。
さて、リビングの掃き出し窓からは、屋外に出ることができます。
こんな、レトロでキュートな鍵を開けて。
外に広がるのはウッドテラス。広ーい!
手前の物干スペースには今後、物干し竿を設置予定だそうです。
ちなみに安全のためもあり火気厳禁とのこと。喫煙や花火、BBQなどはできません。しかし!電気式のホットプレートであればOKだそうです。
また、このウッドデッキは駐輪場代わりにもなります。ただし室内を経由して運び込むことになるので、使用時には他の入居者さんへの配慮も必要になりそう。
さて。上の写真で不自然に傾く木は、サルスベリ。9月か10月頃には、この写真からは想像もできない鮮やかなピンク色の花が咲くのだそう。
そして、植物は他にも。
左から、紅葉と桜。季節になったら、紅葉の葉や、桜の花びらを栞にいかがでしょう。
では室内へ戻り、キッチンを見ていきます。
ダイニングテーブルとキッチンが一体となっているからか、とても広く感じます。
不思議に浮遊する瓶は、なんと蓋が棚に固定されていて、ねじって外すこともできます。
香辛料なんかを入れても良さそう。
それにしても、タイルが可愛いです。
タイルの四角も、チェアの水玉も、手仕事によるもの。同じものは、どこにも売ってないですよ。
最近やたらとドット柄好きの私は、この子に釘付け。でも、花柄も素敵。。。
椅子越しにちらっと覗くのは、冷蔵庫と掃除機。
ダイニングテーブルとチェアはかなり低めです。ハイチェアでは落ち着かない私には好印象ですが、足の長い方には少し窮屈かもしれませんね。
この角度だと、冷蔵庫はすっかりかくれんぼ。
ということで、冷蔵庫からの眺めはこちら。
トラ猫のミトンがなかなかの存在感。
この子、実はかなり凶暴です。ニャーと口を開くと、衝撃的な絵が見られますので、入居された際のお楽しみに。
しかしながら、水回りが新品なのが、リノベーション物件としては嬉しいところ。
食器や調理器具は、入居者の皆さんに持ち寄って欲しいとのことですが、ワイングラスは用意してあります。
こんな風に、吊り下げられて。
シンクの下はというと、ゴミ箱や棚などが置かれています。
すべてがピッタリと収まっている光景は気持ちがいいです。
個人的には、キッチンにこんなフックが欠かせないと言いたい。
IHコンロは3口、グリル付き。
全7部屋のはずが、ストッカーはなぜか6個、と思ったら、掃除機の奥やシンク下にもサイズ違いがあり、数えると全部で12個もありました。
反対側には冷蔵庫。
配置上、この写真が精一杯。
一般家庭用のサイズで7名分ということで、お互いにやや配慮は必要になりそうな容量。ストッカーも冷蔵庫も、使い方は入居者同士で決めていくスタイルだそうです。
このぐらいの人数なら、ぎりぎりそんな匙加減もありだろうと思います。
では、一度玄関側に戻りまして、水回り設備を見ていきます。
正面に洗面台、右側にトイレ、左側に浴室と洗濯機があります。
それではまず、チョークで描かれたサインが素敵な浴室から。
引き戸を開けると、洗濯機の置かれた脱衣室です。
黒板ドアには浴室と洗濯機、両方の利用状況が書かれそうですね。
7人でドラム式の洗濯乾燥機1台という配置はややきわどい所なのですが、ウッドデッキにもう1台を設置可能だそうで、洗濯機をお持ちの方の入居があれば、皆で相談の上設置することも可能だそうです。来たれ!ですね。
バスグッズや洗剤などを置くことになりそうな棚は、大きめサイズが嬉しいです。
ただし深さはないので、カゴなどを活用した使いこなしが必要になりそう。
足元には、でました渋めシリーズ。炊飯器など、昔はなんでもこんな柄だったような気も・・・
さて、例のごとくお風呂はしっかり、がこの事業者さんの良心的なところ。大事だと思います。
では次にトイレ。
壁紙を一面工夫するだけで、こんなにも素敵なトイレになるのですね。
さて。それでは、そろそろ専有部へ進みます。
まずは本棚横にドアがある、101号室から。
このプレートは、靴箱のものとお揃いですね。
4.3畳ともっともコンパクトな部屋で、家賃も一番低く設定されています。
うっすらと壁紙には模様があるようです。
青と赤、丸と四角は、男女を表しているのでしょうか。
というのは、深読みしすぎですね。
浴室の横で、キッチンと玄関にも面した部屋なので、音に敏感な方は現地でよく確認をした方がいいかもしれません。
この凹凸、なにかアレンジできないかしら。
ではお次、102号室へ。
ドアノブのプレートの他、ドア上にも手書きのサインがあります。
こちらは本棚にすっぽり隠れる位置にある部屋で、本棚側の壁には上品な柄の壁紙が貼られています。
ベージュとホワイトなので、この柄も賑やかに感じません。
本棚の後ろにあるドアは、階段の目の前。
1階最後の専有部は階段横、103号室です。
この部屋の壁紙は、改装前の内覧時に入居予定の方がセレクトしたものだそう。
階段に圧迫されつつも、その個性が魅力となっています。
ウッドデッキへ出られる窓もあります。
住まい手の感性を挑発するかのような、大胆な空間。
では、2階へ参りましょう。
こちらも抜け目なし。壁紙の種類を数えたくなってきました。
階段を上りきり、振り返ると左に2枚のドア。手前がシャワールームで、奥がトイレです。
階段で天井を見上げると、黄色い小鳥が戯れるかのようなオブジェが。
少し回り込んで見てみます。
階段の正面は、ベランダへ出られる掃き出し窓になっています。
眺望はぼちぼちですが、眼下には紅葉と桜と、サルスベリ。
このベランダにも物干し竿を設置予定だそうです。
では、シャワールームへ。
こちらが脱衣スペースですね。
シャワールームは至ってノーマルですが、窮屈さを感じない程々の広さ。
さて、次はトイレ。
壁紙は1階のトイレと同じものですが、面積が広いとインパクトが違います。
トイレ内でも手は洗えますが、トイレを出てすぐの位置にも洗面台があります。
左上には、伸び縮みするタイプの鏡もついていますので、洗顔や身支度でも十分使えそう。
正面の窓から陽射しが入り、朝の洗面は気持ちが良さそうです。
黄緑色の照明の奥に、もうひとつ、気になる照明が。
ポーチライトを室内に使うの、いいなぁ。。。
洗面台横の窓にそっと置かれていたのは、カメラ付きインターフォンの受信機。
こちらは今後、きっちり壁に設置予定だそう。
では、専有部を順に見ていきます。まずは204号室。
ご覧の通り西日が差す部屋なので、午前中の日当りは控えめかも。はしごがあるのは・・・
ロフトがあるから。2階は全室、ロフト付きなのです。
ただし、落下の危険があるため、ロフトでの就寝はお控えくださいとのことです。
季節外れの洋服たちの待機場所には最適かと。そして普段着る洋服は、ロフト下のポールハンガーにどうぞ。
エアコンは全室にあります。
ごつめの梁が、素敵。
柱も梁も見事にむき出し。甘めの壁紙と絶妙のバランスです。
続いて205号室。
少し、オトナっぽい雰囲気に見えるこの部屋の壁紙も、入居予定の方がセレクトされたのだそう。
最近の家では見る事の少ない、膝の高さの窓が西向き。小さな窓は北向きです。
ロフトは204号室より少し狭め、とはいえ2畳ほどの広さがあります。
テレビとLANの配線が全部屋に備えてありますが、近々無線LAN環境も整える予定だとか。
205号室の向かいが、206号室。
北東の角部屋です。
ドア横の、ハンガーラックのスペースは、扉がないだけで独立した収納スペースのような作り。使い勝手の良さそうな部屋。
ロフトは205号室同様に、2畳ほどの広さです。電源がちゃんとあることで、何かと用途が広がります。
それでは最後、207号室へ。
3分割されている窓が南向き、左側の窓が東向きと、明るい角部屋。
204号室の向かいの位置になります。
ロフトにも上がってみました。
もしかして、上から見下ろされることを想定して、この照明を選んだのでしょうか。
柱と梁と、あと天井もむき出しですね。新築にはない魅力ではないでしょうか。
梁の関係で、ロフト使いには工夫が必要になりそうです。
今回探検した「SHIORI 西荻窪」の最寄駅はJR中央線・西荻窪駅。
実は個人的には馴染みの薄い駅でしたが、新宿まで快速で12分(5駅)、各駅でも17分(7駅)と便利な場所。
また、シェアハウスまでの徒歩11分程のルートにも気になる雑貨屋さんがいくつもあって、また遊びに行きたいほど。
駐輪場は備えていないため、徒歩での移動になりそうですが、シェアハウスから徒歩1分圏内にはバス停もあります。西荻窪駅のお隣、吉祥寺駅行きのバスが約10分おきに運行していました。
たぶんこれが、ベスト・プラクティス。
では最後に、運営会社さんのご紹介です。
今回探検した「SHIORI 西荻窪」を運営するのは「こひつじ商事株式会社」さん。
リノベーションの醍醐味を知り尽くした空間づくりに、あたらしいシェアハウスを訪問するたびにワクワクさせてもらっています。
スタッフさんの年齢も若く雰囲気も和やかですが、運営スタイルは割とDIYなスタイル。お鍋や食器なども入居者さんの持ち寄りが基本ですし、掃除もルール作りを含め入居者さんお任せ。ひとりひとりに、それなりの意識が求められることになりそうです。
とは言え、運営管理側との距離感の取り方には好みがあるもの。ある程度放任で、住まいに対して自分たちで裁量を持って関わっていきたいという方には、きっと丁度良いのではないかと思います。
どこか共通軸の多そうなこれまで手掛けてきたシェアハウスでも、他の家の入居者が一緒に集まってみれば、やはりそれぞれに個性があるそう。今回は、どんな個性が生まれていくのでしょう。
さて。「SHIORI 西荻窪」は2012年3月にオープンしたばかりですが、すでに残りは1部屋だそう。気になっている方は、コチラからお早めに問合せをどうぞ。
そういえば、入居者のどなたかが作られたポトフのいい香りがキッチンに漂っていました。
コトコト煮込み、素材の味をじっくり引き出し、ハフハフしながら食べるポトフが、なんともしっくり。
ゆったりとした呼吸の似合う家でした。
(ホッタ)
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