シェアハウス専門ポータルサイトのスタッフによる、シェア生活を楽しむための探検レポートブログ。東京、神奈川、千葉、埼玉、 そして全国各地のシェア賃貸住居をひたすら探検する専門ポータルサイトの隊員達。明日はあなたの物件へ・・・!?
しずかな質感に身を添わせる。
人対人はもちろん、人対モノにも相性は存在すると思います。デザインなど外見の好みではなく、いわゆる「使い心地」。しっくりくることは重要で、相性が悪ければ結局使わずにしまいこんでしまったり、手放してしまうことが多くなるようです。
モノについては、新品かそうでないか、ということも好みが大きく分かれるポイント。
かつては新品じゃなきゃ嫌!と思っていた時期もありましたが、最近では後者が魅力的に映るという方も多いのではないでしょうか。大切に使うのは当然として、その上で出来た小さな生活傷や経年変化は、新品にはない味わいを持っているのです。
「Share I I HARA」は、建築士である事業者さんが、母親の為に建てた家。
建物はもちろん、使い込まれた家具の佇まいもまた、ほどよく味わい深い暮らしの質感づくりに一役買っています。適度な生活感が残り、その空気が緩やかに身体に馴染んでいくよう。
かつての主から引き継いだ、よく馴染んだ暮らしの質感。そこに、少しだけ慎重に新しい味わいをじっくりと重ねていく日々。
なんだか、すごくいいと思うんですよね。
大通りから一本入った住宅街を進み、角に位置する建物が今回のシェアハウスです。
赤茶をベースにした落ち着いた配色で、堂々とした佇まい。
玄関の手前には、年季の入り方が心地良い小さな門が構えています。
大きな木製のドアは存在感たっぷり。
そのドアにはまるで鉤爪のような特徴的なドアハンドルが付いています。
大きな爪に引っかかれないよう、そっとハンドルを下げ、重量感のあるドアを手前に引きます。
レンガ調のタイルが続く玄関は、とても広々とした開放感のある空間。
バルコニーのようにせり出す2階の廊下がチラリ。立派な吹き抜けになっています。天井近くの窓から射し込む陽射しがどこか屋外のようにも感じさせる、心地のよいエントランスホール。
足元に置かれた傘立てにはこんなお洒落さんも。
存分に気品を放つホース。
それでは、そのまま廊下を右手に向かいます。
待ち構えていたのは玄関に負けず劣らず広々としたリビング。
この空間を4人で使えるなんて、なんという贅沢・・・と思わずため息。ソファがゆったりと2つ配置されています。窓の前に立って見渡すと、背の高い家具が見あたらないことに気が付きます。
この重心の低さもまた、しっかりとした落ち着きと広がりを生み出している一因ではないかと思います。
リビングの一角に開けられた四角い穴。
そう、なんともモダンな暖炉です。こんなにさりげなく、それでいてスタイリッシュな作り方ができるんですね。聞けば、これまで実際に使用したのは数回だったそうですが、正真正銘の本物です。
しかし、火の扱いは危険とも隣り合わせ。使用については事業者さんに確認し、許可が出たとしても慎重にどうぞ。
でもこの炭を見れば、やっぱり一度ぐらい・・・という気持ちが頭をもたげてしまいます。楽しく使わせてもらえると良いのですが。
さて、TVの隣には笑顔の椅子たちが並んでいます。
実際にお子さんが使っていたものだそう。キャラクター性の強い家具ですが、とても落ち着いた空間に違和感なく馴染むのは不思議なもの。
特注したという大きな大きな窓から見える庭の緑は、射し込む光と共にリビングに色を添えます。
それでは、イサム・ノグチのコーヒーテーブルにカップをコトリと置き(イメージです)、庭に出てみます。
大きな窓の前はデッキテラスになっています。
このテラスはシェアハウスにすると決めた時に新設したのだとか。まだ新しい無垢材のテラスは、時間と共にまだまだ深みを増していくはず。これからの変化が楽しみです。
テラスの一画には、心地よさそうなデッキチェアも。
晴れた日には、外での読書がとても似合いそうです。
小学生の頃、屋外での読書に憧れた時期がありました。とは言え、実家に開放感抜群の大きなテラスなどあるわけもなく、隣家に囲まれ、洗濯機が置かれた小さなベランダのみ。
なんとか外で本が読みたい!と考えた私は、ベランダにゴザを敷いて掛け布団とクッションを運び出し、風に揺れる洗濯物の下で読書を楽しんでいたのでした。
こんな家についての憧れを現実にするチャンスが多いのは、シェアハウスのメリットのひとつですよね。
さて、テラスの目の前に植えられた植物は、外部からのテラスの目隠しにも。
さまざまな種類の緑の中に、パッと目立つ黄色い円筒が目に入ります。
聞けば、以前住んでいた家で使用していたポストなんだとか。
気に入っていたため捨てるのを忍びなく思い、庭のアクセントにしたのだそうです。なんだか絵本に出てくる森の中に不時着した宇宙船のようで、愛らしい感じ。
それでは室内に戻り、格子戸の先にあるダイニングへ。
両開きの引き戸を開けると、木の温もりがふんわりと広がります。
リビングとの間を隔てる格子戸の抜け感や、2面に設置された大きな窓のせいか、こちらも広く感じます。
空間も家具も、「食卓」という言葉がしっくりくる、ほどよいサイズ感。
使い込まれて手に馴染む肌触りを得た家具たちが持つのは、暖かな家族の団欒の記憶。
「この傷は、あの時つけたんだよね。あれは・・・」と、思い出話を語る声が聞こえてくるようです。
ダイニングの奥の方は、キッチンへと続いています。
幅は特別広いというわけではありませんが、作業スペースはかなり広く取られています。
遊び心に溢れた空間のアクセントは、壁の一部に貼られた花柄のタイル。
シンクは洗い物用の水切りスペース付き。
大量の洗い物でも、しっかりと受け止めてくれそうな器の大きさ。眩しいです。
水栓には浄水器が設置されています。
作業スペースの下にはドイツのメーカー、AEGの食器洗浄機が収まっています。
最新機器とはまた違う、シンプルさが魅力的なデザイン。
珍しいホワイトのパネルでスッキリ。
キッチンの奥には、ランドリーとシャワールームが設置されています。
シャワールームは今回シェアハウスをスタートするに当たり新設。
シャンプーなどの収納場所は2人分という所でしょうか。ここは、ごくスタンダードなタイプです。
トイレは廊下の玄関脇にあたる場所に。
“トイレ”よりも“化粧室”と呼ぶ方が似合う、ゆとりのある落ち着いた空間。
しっかりめの洗面台も設置され、ゆったりとしたトイレタイムが過ごせそう。
なんとも羨ましい空間です。
では階段を上り、2階へ向かいます。
踊り場から見上げると、なかなか素敵な景色。
期待を胸に、残りの段を静かに駆け上ります。
踊り場からも見えたように、2階の廊下は天井が高く開放感があります。
さらに天窓からの光が差し込んで、照明だけでは得られない気持ち良さがあるのもポイント。
廊下の先にも、ちょっとしたテーブルスペースが。
テーブルの隣には、小さな作業台も設置されています。
シンクと簡易IHヒーターがあり、湯沸かし程度はできますね。
ちょっとお茶を入れたりと、1階まで降りるほどではない用事はこちらで。
さらに奥には、水まわりの設備が集まっています。
手前がトイレ、その隣がバスルームです。
トイレはシンプルなタイプのため割愛し、バスルームを見て行きます。
全4室ということで、1階のシャワールームと合わせて使用すれば、使用する時間が重なって困るなんてことは無さそう。
ゆったりと湯船に漬かりたいときはコチラ、ということですね。
大きな曇りガラスの窓があって、どちらかというと朝が似合う雰囲気です。
もちろん朝はバタバタしているもの。遅刻しないように時間のチェックは忘れずに。
バスルームの前は大型鏡のある洗面台になっています。
水まわりの収納は日常的に使用するだけあってかなり重要。洗面台の収納棚も、多めに設置されていて安心感があります。
洗面台の隣には、部屋ごとに使用できるクローゼットが。
荷物の多い女性のことを考え、部屋とは別に収納場所をしっかりと確保した事業者さんの配慮、さすがです。
それでは廊下を戻り、お待ちかねの専有部を見て行きます。
やわらかな朱色の天井が印象的。ここは、一番広さのある部屋です。
勾配のある天井が、高さの確保だけでなく部屋を更に広く感じさせます。
長方形の間取りはシンプルで壁も多いため、配置も様々なバリエーションが考えられそう。元々家具を持っている方も使いやすいのではないでしょうか。
続いて202号室のドアを開けると、何故か中にも扉が。
こちらの部屋は和室という事で、引き戸付き。普段はドアだけの使用となるかと思いますが、何かのシチュエーション(なかなか思いつきませんが)で必要になることもあるかもしれません。
床の間と違い棚も備え、本格的な和室生活を味わう事が出来ます。
壁の横幅いっぱいまで並んだ窓は、雪見障子。
そっと障子を上げると、時期によっては庭から伸びた梅の花を観賞することもできます。
ハンガーポールも設置され、上段と下段を使い分けると便利そう。さらに部屋と別にあるクローゼットを合わせれば、なかなかの収納力になります。
下段では、なにやら賑やかな行進が行われているようです。
203号室は、先ほどのテーブルスペースの前に位置しています。
201号室と同じ落ち着いた朱色の天井。
ドアと並んだアーチは、以前出入り口だったそう。現在は行き来が出来ないように塞いであります。
2階では、唯一ベランダ付きの部屋でもあります。
デッキが敷かれ、鉢植えが良く似合いそうです。横幅があるので布団もしっかりと干せるはず。
室内の一角には、奥行きは浅めですが、ハンガーポールが備えられたオープンな収納ゾーンも。
扉がない代わりに、カーテンレールが取り付けられています。
必要に応じてカーテンを取り付ければ、収納を隠すこともできます。
最後は階段を下り、リビング脇にある101号室。
引き戸をガラリと開けます。
天井が高めの専有部は少し空間が食い込んだ間取りです。
101号室の特徴は大きな窓と、その先にあるデッキテラス。
テラスは先ほど見たリビングのテラスと続いていますが、仕切りが入っています。
ちなみにこのガラス戸には、オリジナルの網戸が付いています。
木の枠と枠の間に網を挟み、すっきりとした収まりのディテールで作られています。
玄関の脇にあるガレージが駐輪スペース。
普段はオーナーさん(=運営事業者さん)の車が置かれていることもあるそうですが、乗用車の一時的な駐車はOK。レンタカーを借りたときなどは重宝しそうです。
隣駅は赤羽。池袋までは約15分程度、大宮へは20分、新宿と渋谷からは25分前後です。川口は、意外や都心へのアクセスもなかなか悪くない場所です。
駅からは18分と少し距離がありますが、川口駅から出ているバスに乗れば最寄りのバス停まで7分ほど。
駅周辺に公共駐輪場もあるため、駅までは自転車通勤も良いかもしれません。
そして、忘れてはいけないのがシェアハウスのすぐ裏手にある荒川土手。
見晴らしと開放感は抜群。
最近女性のジョギング人口も多くなっているようですので、運動不足と感じている人はまず散歩から始めてみてはどうでしょうか。
さて、「Share I I HARA」を運営しているのは「大津一級建築士事務所」さん。
名前の通り、自身が建築家。冒頭で触れたように、この家はお母様の為に事業者さんが建てたものです。
もちろん今まで設計した建物すべてに心を込めているのだとは思いますが、それでもお母様の家となれば、思い入れは一塩だったのではないでしょうか。一般の賃貸にすることも考えたそうなのですが、一度貸してしまうとなかなか家を訪問する事が出来ないところを少し寂しく感じたのだとか。
シェアハウスなら、貸している間もあたり前のように遊びに行ける。そんな思いをきっかけに、シェアハウスの運営へ踏み切ったのだそうです。本当に大切にされている家なのだと、実感させられるエピソードです。
設計のディテールや気配りにも、やはり細部までハッと目を見張る点が多々。穏やかで丁寧な人柄が滲み出ているようで、暮らしの心地よさは抜群ではないかと思います。
シェアハウスの運営は初めてながら、非常に熱心に勉強されていて、入居者さんとの良好な関係作りにも期待が持てそうです。
実は運営開始後あっという間に満室になってしまい、2012年6月現在も満室継続中ということですが、空室が出ているのを見つけた際にはコチラからお問い合わせをどうぞ。
似た者同士という言葉がありますが、シェアハウスには似た人達が集まってくる場合が多々あるもの。
引力のある家が、そこで暮らす相性の良い人達を自然と集めるのだと思います。不思議ですね。
(テルヤ)
シェアハウス専門ポータルサイトのスタッフによる、シェア生活を楽しむための探検レポートブログ。東京、神奈川、千葉、埼玉、 そして全国各地のシェア賃貸住居をひたすら探検する専門ポータルサイトの隊員達。明日はあなたの物件へ・・・!?