シェアハウス専門ポータルサイトのスタッフによる、シェア生活を楽しむための探検レポートブログ。東京、神奈川、千葉、埼玉、 そして全国各地のシェア賃貸住居をひたすら探検する専門ポータルサイトの隊員達。明日はあなたの物件へ・・・!?
不思議な艶のある、モダンな空間。
今さらですが、やはり古いものに惹かれます。
特に、「色」が魅力。
くすみ、赤さび、色抜け、染み込んだ煤、そして艶(つや)。
年月とともに生まれた複雑な色合いだけが醸しだす、落ち着いたトーン。心のなかで「この色、好きだなあ」と呟いてしまいます。
宇都宮の「haus 1952」は、名前のとおり1952年に建てられた家。
時間とともに生まれた趣を適度に残しつつも、懐古趣味とは一線を画す現代風味の大胆なアレンジが見どころ。ひとことで言うなら、クラシックというよりむしろ言葉通りに現代的という意味で「モダン」な意匠。
だからこそ、それを引き立てるクラシックな素材の艶っぽさが一段と際立つのかもしれません。
廊下ひとつをとっても味わい深い佇まい。一方でリビングに設けられた暖炉は大胆。水まわり設備もしっかり充実させてあり、暮らしやすさに関する配慮もなかなか細やかです。
新鮮な驚きとともに生まれたKAMAGAWA LIVINGにつづき、宇都宮に誕生した、ふたつめのシェアハウス。その品質の高さに、今回も驚くばかりです。
周辺は、学校の多い住宅地。
午後4時ごろを回ると、学生たちが一団となってぞろぞろと歩いて行く姿を目にします。そんな大通りから脇にそれて歩くと、落ち着いた街角で静かに異彩を放つ建物に出会います。
「haus 1952」は、背の高い塀に囲われた瓦屋根の家。昔ながら、といった風情の住宅ですが、目線を超える高さの塀がシャープな印象を残します。
塀をくぐり抜けた先に続くのは、砂利が敷かれたアプローチ。
すぐに、雰囲気の良いテラスが出迎えてくれます。
まずはそのままアプローチを進み、突き当りの左手にある玄関へ。
正面玄関のドアは、年代を感じさせるガラス張りの両開き式。
幅広の引き戸の前の空間には、大きく庇(ひさし)が張り出します。ゆとりある広さが贅沢です。もちろん、雨降りの日にも安心。
すぐ脇には、部屋ごとに用意された集合ポスト。
ドアのハンドルは元々の素材がそのまま残されています。
硬い鉄ですが、長年手が触れるなかでカドが取れたのか、どことなくやわらかな印象が漂います。
見た目通りの手応えのドアを開けると、迎えてくれるのはオレンジの灯り。
インパクトのある大胆な意匠ですが、思いのほか温かなトーンです。
明る過ぎず、暗すぎず。帰宅時にほっと落ち着く、粋な演出。
土間から框(かまち)を上がって振り返ると、玄関は柔らかい日差しが差し込む、心地よい空間。
靴箱がどんと置かれていますが、収納力は期待できそうです。
改めて前を向くと、廊下はそのままリビングへと繋がっていました。
左手に垣間見えるのが、リビングルーム。
突きあたりのドアは、水まわり設備です。
徐々に姿を現すリビングルームは、個性的な寄木張りのフローリングが強い存在感を放つ空間。
実は築60年以上の建物と聞いて想像していたのは、古民家のような和風の家屋。しかし、良い意味で大きく期待を裏切られました。
オーナーいわく「建物のヴィンテージ感を残して、ゆったりとくつろげる住宅を作りたかった」とのこと。
なかでも、特に印象的なのは寄木張りのフローリング。
60年前とは思えない、大胆にも斜めに敷かれたダイナミックなパターン。経年変化で生まれた風合いも相まって、もう単純に格好良いのひとことです。
奥の壁にも、一面に独特なパターンの飾り棚があつらえられています。
ちなみに、左手のガラス扉から先ほどのテラスに出ることができます。
きっと、空間の表情を一変させるこの棚。
何を飾るのか、どう飾るのか、ずいぶんと住まい手の感性が試されることになりそうです。
照明は、なにやらニョロニョロしています。
さて、窓側からリビングの様子を眺めてみます。
ダイニングテーブルを囲むイームズ・チェアは、部屋の数と同数の5脚。
よく見ると、壁には間接照明が仕込まれています。
日が暮れると、また随分とムードが変わりそうです。
しっかり存在感を放つ暖炉は、寒い冬が楽しみになる設備。
もともとマントルピースのあったスペースを作り変えたそうです。シンボリックなシェアハウスのサインも、ここに設置。
燃料をセットすると、点火も簡単。
傍らに置かれたソファに腰掛けて、ゆらゆら揺れる炎を見つめながら食後のコーヒーをのんびり楽しむ。
なんとも贅沢な時間になりそうです。
リビングの奥には、ほどよく日差しが差し込む、木の扉。
ハンドルを回すと金物の音が響き、可愛らしい小ぶりなテラスに出ることができます。
両開きの扉を全開にすれば、リビングの風通しもぐんと良くなります。本格的に暑くなる夏の季節には、朝晩問わず、こうしてリビングの延長として使うシーンが増えるのでは。
素敵なのは、テラスがアプローチに面したこの設計。
帰宅して家に入る前に、ここで「ただいま」「おかえり」なんてやり取りが生まれることも、きっとあるはず。
さりげなくハンモックも用意されています。
家の前の塀がほどよく通りからの目隠しになって、プライベート感は割としっかり。
リビングから廊下を挟んだ反対側には…
キッチンが設けられています。
I型のオーソドックスなレイアウト。シンクは幅広で、使い勝手が良さそうです。
備え付けのシャワー水栓は食器を洗うときに便利。
木とタイルを組み合わせたシックなテイストで、動線も余裕があります。
タイル張りの作業スペースを挟んだ先には、3口のガスコンロ。
煮込み料理なども、あまり気兼ねなく楽しめるのではないでしょうか。
壁付けのオープンな食器棚には、共用のグラスやお皿が置かれています。
種類も豊富で、フードやドリンクに合わせてセレクト可能。
テーブル・ワインならワイングラスを、スパークリングならシャンパングラスを。細かなことにも気を配って、デキる大人風でいきたいものです。牛乳は普通のマグカップで良いと思います。
必要なものが必要なだけ揃っている、すっきりした収納感は見た目も良し。実際に暮らしはじめれば色々調整があると思いますが、綺麗に整えて使っていって欲しいもの。
床の一部には地下収納が設けられています。
マンション暮らしでは得られない、ひんやりとした床下空間。これを機に、漬け物や自家製の梅酒を仕込む渋い趣味を持ってみては。
キッチンの一角には、洗濯乾燥機が設置されています。
中身が見えるタイプが気になる方は、ちょっとした目隠しのカーテンを掛けてみるなり、工夫をしても良いかもしれません。
廊下の床材も、色合いです。
人の足が擦れて生まれる、独特の艶。
さて、続いては水まわりです。
トイレの壁や床には、元々の造作が残されています。
小さな手洗い場はかわいらしい雰囲気。トイレはウォシュレット付きで、実用面では完全にモダン。
脱衣室には洗面台が設けられています。
作り付けの棚には部屋ごとにバスアイテムを置いておくスペースが用意され、専有部から持ち運ぶ手間を省略。
バスルームは、最新の設備。
バスタブも広く、充実したリラックスタイムを満喫できそうです。
専有部は1Fと2Fに、2室ずつ。
廊下の突き当りにある階段から2Fに上がります。
上から見ても下から見ても、地味ながらどこか上品な、風情のある階段です。
2Fの廊下は、日当たりの良い空間。
午前中の明るい時間帯は、照明は必要がなさそう。
夜になると、アンティーク調の照明が柔らかく足元を照らしてくれます。
それでは、気になる専有部を見ていきます。
201号室はシンプルなテイスト。右手に押し入れがある配置は建築当時の名残。
ちなみに正面のドアの先にもうひとつの部屋があり、スペース的には専有部のなかでいちばん広い間取りとなっています。
壁一面の収納は、たっぷり大容量。
内側にポールを渡せば、ほとんどの荷物はここに収められるのではないでしょうか。
ドアの先の部屋はこんな感じ。
元々は屋根裏部屋で、オーナーさんが小さいころによく遊び部屋として使っていたそう。壁から突き出た梁がユニークです。
使い勝手はともかく、面白い空間。物置以外でうまく使って頂けると良いのですが。
202号室は、和のテイストが盛り込まれています。
約22平米と広く、2人での入居も可。
個性的な間取りと意匠に、部屋づくりはおのずと力が入りそうです。
照明は、天井の裸電球とベッド脇にスポットライトがひとつ。
全体的にかなり落ち着いた明るさ。間接照明をいくつか持ち込むとちょうど良いかもしれません。ライティングは自分で作りこむように、ということだと思います。
収納は普通の押入れサイズと、クローゼットサイズがひとつずつ。
これで十分な人が多いはず。足りなければ、床の間に収納ケースを置くかどうか悩むことになりそうです。
障子に円い影が浮かぶ窓は、新たにこしらえたものだとか。
粋ですね。
木枠の窓は、建築当時から使われていたものをそのまま残しています。
でも時代に合わせて別途、実用的なサッシを設けた2重の設計に。
繰り返しですが、暮らしやすさへの配慮はしっかりしています。
こちらは玄関脇の駐輪場、というよりは小屋。このタイプは初めてお目にかかります。
屋根付きなこともあり、サイクリストやバイカーもある程度安心。
塀の手前のスペースには、1台だけ駐車OK。
車が便利な地域ですし、駐車場は必須!という方には嬉しいことかと。
自転車ですこし足を伸ばせば、各線・宇都宮駅も利用できるそうです。
シェアハウスの周辺は、戸建てや小さな商店が点在する住宅街。
日常的な生活用品の買い出しは家の近くでもできますが、ショッピングには駅周辺まで足を運ぶことが多くなりそう。とは言え、自転車を使う人が多いエリアということで、特に問題でもないのかもしれません。
徒歩圏内には、緑と池の調和が心地よい中央公園があります。
4つの池を中心に和洋折衷の廻遊式庭園風に構成され、四季折々の草花を楽しめるそう。休日の散歩や気分転換には、もってこいのスポットです。
「haus 1952」を運営管理するのは、株式会社ビルススタジオさん。
建築物の設計から不動産仲介まで、栃木県を拠点に空間に関わる分野を総合的に手がけます。シェアハウスの運営はこちらで2件目ですが、前回のテイストとはまた違う、豊かな振り幅に驚かされます。
今回は建物のオーナーさんも、設計やデザインにかなりタッチしているそう。実際に暮らすなかで、オーナーさんとの接点もあるかもしれません。運営管理は、入居者とコミュニケーションを取りつつ細かな点を詰めていくスタイルとのこと。とは言え、基礎はキッチリといった感じ。安心感があります。
なお、2Fの専有部はアトリエとしても使えるのだそうです。宇都宮を拠点にしている方や、これから拠点にしたいと考えている方は、一見の価値ありかと。
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1952年当時は、どんな家だったのでしょうか。気になります。
オーナーさんに、写真が残っていないか聞いてみると良いかもしれません。
(ソン)
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