広場を有する敷地に2棟の建物という構成は、どこから出てきたのでしょうか?

「こういう建物があるんだけど何かに使えないか」とオーナーさんから話を持ちかけられたのが発端でした。

この“ひとつの敷地に2つの建物”という構造はとても珍しいんです。この構造をどう活かそうかと、話を進めていく中でも常に意識していましたね。

具体的に、どのような部分が珍しいのでしょうか?

今では、ひとつの敷地に2棟並ぶこのような建て方はできないんです。なので、一度壊してしまったら、あとは1棟の大きな建物をどーんと建てて終わってしまう。また、真ん中に大きな広場がある構造も、この大きな敷地があってこそですよね。加えて、高台にあって景色も良い。こうなると、この建物の面白さを残して活かすほかに選択肢はないなと。そこで、リノベーションという手法で改修することにしました。

なるほど。いくつものストーリーが絡んでいるんですね。

そうなんです。また、完成した空間を見てみると、これまで運営してきたシェアプレイスシリーズの多様なエッセンスが凝縮されているようにも思えます。そう考えると、シェアプレイスという本筋がまずあって、立地や建物の条件が整ったというのでしょうか。「満を持して」という言葉が、しっくりときていますね。

コミュニティを細かく分節をすることを特に意識した、ROJI<ロジ>

株式会社リビタ 綾村さん

共用部の設計では、どのような考えが軸となったのでしょう?

同じ空間の中で、コミュニティを細かく分節をすることを特に意識していましたね。もっと簡単に言うならば、“使い方に合った場所を選択できる”空間ということになります。

これは、THE SHAREやシェアプレイス田園調布南であった「サークルのような小さなコミュニティの形成」という傾向運営経験が色濃く表れた部分でもあります。大きなコミュニティの中に、より結びつきの強い小さなコミュニティが生まれる。これをハード面に取り入れると、きっともっと面白い暮らしが生まれるだろうなと。

分節というキーワードは、2号棟のROJIにも強く影響していますよね。

はい。建物が壁式構造という壁を抜けない構造だったことも要因のひとつなのですが、それを逆手にとって間取りを考えました。区切られてはいるけど仕切られすぎていないという今までに例を見ない空間が出来たのではないかと思います。

ちょうど、中央の通路に立つと左右にいろんなスペースが枝分かれしているサマが路地裏のようだったので、ずばりROJIという名前にしました。空間のサインもお店の看板のようにROJIに向かって出ているんですよ。

「集まったら楽しいよね」だけでも良いのですが
それだけで収まっていては少し物足りない。

住人さんの「ラウンジから向こう側のラウンジの様子が見える」という言葉が印象的でした。

広場への視線の誘導は、企画当初からとても意識していました。それが、結果的に広場を通して互いのラウンジに目を向けることに繋がったのは、ある程度は予想できていたものの新しい発見のひとつなんです。実際に「あ、いいな」と自ら思ったのは完成してから時間が経ってからでした。オープンして暮らしがはじまってからラウンジに腰を下ろしてみて、予想以上に心地がいいなと感じましたね。

入居者さんと話していると、そういった今まで気付かなかったシーンが他にも出てくるんですね。住人さんに新しい暮らし方を教えて貰っているところもありますよ。

住人が暮らしを育てる、ということでしょうか?

そうですね。きっぱりと線を引くわけではないですが、ルールや暮らしのあれこれなど、ソフト面の主人公は住人さんという姿勢です。自分の家という意識をもって、相談しあって舵をとる。フォローできることがあればフォローしますよ、という関係ですね。

もちろん、運営事業主だからできることもあります。実は、物件を超えた横の繋がり・キッカケとなるクロスシェアという合同の文化祭のようなイベントも考えていたりします。「集まったら楽しいよね」だけでも良いのですが、それだけで収まっていては少し物足りない。暮らしの先にある面白さ、プラスアルファの体験価値を、提案していきたいと思っています。

最後に、シェアプレイス東神奈川99らしい人物像があれば教えてください。

いままでワンルームにしか住んだことのない方に一度見てもらいたいと思っています。というのも、良い意味で普通の方がとても多いので。もちろん、クリエイティブ界隈やフリーランスの方もいますが、偏っているわけではないですね。ギラギラしていない、家族的な雰囲気をもった不思議な家だと思います。

シェアハウス自体の認知が広がる中、より間口を広げる、ハードルが下げるような物件なのではないかなと。常識的なマナーを守れて、多少の節度のある暮らしをできる人、強いて言えば「楽しく暮らしたい」という気持ちを持っている方であれば、きっと楽しんでいただけるかと思います。

運営担当者が語る『シェアプレイス東神奈川99』のツボ

私が最初にシェアプレイス東神奈川99(通称:SPH99)に行った際に感じた印象は「とにかく気持ちいい場所だな」ということです。物件は横浜に良く見られる急な坂道を抜けた先の小高い丘の上にあるため、太陽と空が近く、周辺には自然も多いのでなんとも落ち着くエリアに位置しています。

敷地には二棟の建物が適度な距離感でたたずんでおり、袋小路に位置しているので物件のアプローチを抜けるとまるで小さな街に迷い込んだような感覚を覚えます。真ん中にはピンコロ石で舗装された広場があり、どこか港町を彷彿とさせる印象。屋上からは横浜が一望でき、夏はみなとみらいの花火大会、冬の空気が澄んだ日には富士山が見え、耳を澄ますと船の汽笛が聞こえます。

この物件は、ちょっと日常を変えるきっかけが欲しい、今までの生活から一歩踏み出すことができる何かを求めている、そんな人にぜひ住んでいただきたい物件です。本物件が位置する横浜エリアは少し足を伸ばすといつも何かが開催しているとてもおもしろい街です。横浜に暮らす人達は本当に長年横浜を愛されていて、それだけの魅力がこの街にはあるのだと感じています。魅力溢れる横浜エリアで、今までとは少し違った「シェアする」生活をしてみませんか?。

《横浜まで1駅2分》《総戸数99室》《2種類のラウンジスペース》《屋上・シアタールームあり》 横浜から一駅、「東神奈川」駅からほど近い丘の上にある「自分らしい」暮らし方。2つの建物に挟まれた大きな広場が特徴的な空間は「小さな街」のよう。元々の建物の...
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