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心地よい風が吹き抜ける。
都心にありながら、ゆったりとした配置の住棟群のあいだを心地よく風が吹き抜ける「市ヶ谷加賀町アパート」。私たちがこの団地に初めて出会ったのは、かれこれ4年も前のことです。
歴史ある市谷加賀町の街に佇む、築30年を越える団地群。当時の先進的な建築技術が意欲的に盛り込まれ、見る人が見ればうなる代物だそうです。手塩にかけた運営管理のかいもあって、建築当時から住み続けている人も少なくないとか。
敷地を歩けば、団地にありがちなくたびれた雰囲気もなく、どこもよく手入れが行き届いて清潔。たっぷりと開いた建物のあいだを時折、気持ちのよい風がびゅんと吹き抜けます。そう、市ヶ谷加賀町アパートのことを思い出すとき、まず頭に浮かべるのはこの「風」だったりします。
さて、そんな団地にchocola 市ヶ谷加賀町が登場したのは2010年のこと。最近増えてきた「シェアハウス×団地」という枠組みの先駆けのひとつでもあります。
初のシェアハウスユニットの導入から約3年が経過し、いつの間にか増えたユニットは現時点で合計8つ。以前はファミリーとシニアだけが暮らしていた団地に、今では社会人を中心に20人以上もの単身者が溶け込んだ状態になりました。
そこにあるのは、両手にぴったり収まるような、背伸びをしない生活。
ひとつひとつ名前が付けられた多彩なユニット群の中から、今回はおいしそうなネーミングが気になる女性専用の「ミント」を中心にご紹介します。
駅からは、まっすぐに伸びる緩やかな坂を上ります。
駅前の車通りはそこそこといったところでしょうか。帰宅途中の学生さんとすれ違いつつ、車1台分ほどの幅の細い道へ入ると、古くからの低い建物と比較的新しい3階建ての建物が混在する住宅街が広がります。
ゆったりとした坂道がすっかり平らになったころ視界に現れるのが、市ヶ谷加賀町アパートの団地群。
団地らしく、ゆったりとした配置で整然と並んだ建物は全部で8棟。
敷地のちょうど真ん中あたりに位置するG棟の1室にあるのが、今回ご紹介する「ミント」のユニット。
ミントをイメージしたルームプレートが目を引きます。
そっと玄関ドアを開けると、ふんわりとした優しい色合いの室内に迎えられます。
玄関はプレーンなサイズ。
でも、3人なら十分です。
ちなみに、階段の踊り場を挟んで2つの住戸のドアが向き合う、団地らしい「ニコイチ階段」スタイル。朝、ドアを開けたらお向かいさんとバッタリ、なんてこともあるかもしれません。そんな時は、明るいご挨拶を忘れないのが団地住まいの大事なルールです。
シューズボックスはひとりで扉一枚分を使えます。
決められた場所以外の空いているスペースは、入居者さん同士で相談して使って良いそう。このあたりは少し自由度の高い管理スタイルになっています。
そっとつまみたくなる、可愛らしいデザインに心臓がトクン。
それでは、ピカッと光る金色のドアノブを握ってリビングを見ていきます。
リビングはブラウンがベースの、落ち着いた空間。
スッと身体に馴染むような感覚を覚える、装飾しすぎないナチュラルなテイストです。
空間の中心には丸テーブル。
自然な姿勢で腰かけられる丸いテーブルは、人と人との関係を柔らかくしてくれると聞いたことがあります。
全員が揃って席に付く機会はあまりないかもしれませんが、3人という人数を考えると四角いテーブルよりも使いやすい気がします。
座面のテキスタイルがそれぞれ異なっているのがポイント。
掃き出し窓とリビングのドアを開けると、爽やかな風がスーッと抜けていきます。これが、とても気持ち良いんですよね。
以前はガラスがはめられていたリビングのドア。風の通り道になることもあって、念には念を入れて割れる心配のないポリカーボネートに変更したのだそうです。
風が流れ込む窓の外を見ると、団地ならではのこの風景。
朝の時間帯には、子供達の「行ってきまーす!」なんて元気の良い声が耳に入ることも。
雨の日も曇りの日もいいのですが、やはり団地には青空と緑、そして風にはためく洗濯物がよく似合うと思います。
続いて、リビングの隣に位置するI(アイ)字タイプのシンプルなキッチンを見ていきます。
オレンジがかった黄色の扉が目を引きます。
勝手口でもあるガラス扉から光が入り、ここでも空間は明るめ。必要な機能がキュッとまとまった動線が短い配置が使いやすそうです。
個人の食材などは背面のラックに用意されたカゴの中に収納します。
背の高い家具がないのも、すっきりとした空間づくりのポイントなのかも。
続いて、玄関脇にある水まわりへ。
脱衣室には洗面台と洗濯機が設置され、収納棚には洗剤などを置いておくことができます。
爽やかな水色のバスルーム。窓からの光もたっぷり入ります。
シャンプー類はお互いに数が増えすぎないように気をつかいたいですね。
トイレはバスルームの脇に。
ウォシュレット付きのスタンダードな仕様ですが、隅のパイプにちょっとした「団地感」が漂っているような気もしたり。
部屋ぼドアはどれも、爽やかで優しいミントブルー。
ブラウンの床とあわせると、チョコミントのような綺麗な対比になるのも素敵です。
各部屋には、ゴールドのルームナンバーがきらりと光ります。
海外のアパルトマンのような雰囲気がすこし、グッと来ます。
ミントの303号室は、角部屋で採光バツグン。
晴れた日は網戸のまま過ごすのも気持ち良さそうです。インテリアは、出窓の使い方が鍵になるような。
家具は持ち込み式ですが、収納棚の板の下にはポールハンガーが渡されています。
オープンタイプの収納は、湿気の多い時期でも換気が気にならないのが良いところ。
素直な間取りで、家具の配置に悩むことはあまりなさそうです。
窓際には、グリーンを置いたらグングン育つと思います。
chocola 市ヶ谷加賀町には、現在女性専用の「ショコラ」「ピスタチオ」「バニラ」「シトロン」「フランボワーズ」「ミント」「nismu」、そして男性専用の「カカオ」の8ユニットが点在しています。
間取りは2種類あり、どのユニットもそれぞれ異なるインテリアが楽しいところ。
ということで、これまでにご紹介していないユニットをいくつかピックアップしてみたいと思います。
まずは、味わいのあるテーブルがインパクトのある「フランボワーズ」。
女性らしいやわらかな色彩を使いつつ、落ち着いた雰囲気に仕上がっています。
ちょっぴりガーリーなアイテムが似合うのも、このユニットならではかも。
男性専用の「カカオ」は、もうすこしアッサリ。
リビングの壁には板を取り付けたり、釘を打ったりとカスタマイズできる素材が選ばれています。事前に事業者さんにしっかり確認しつつの進行ではありますが、かなり楽しめそうです。
壁のカスタマイズができるユニットは「カカオ」「バニラ」「nismu」の3つだけ。
2011年に完成した「バニラ」には、良い感じの生活感が感じられます。
どのユニットも入居者さんはすごく綺麗に、愛着を持って暮らしているそう。
居心地の良さがひしひしと伝わってくるようです。
その他にも、1番エネルギッシュな「シトロン」でパワーをもらったり、
「ピスタチオ」の入居者さんの差し入れに心がほっこりしたり、
日当たりの良いソファで思わずうとうとしたり。
多彩なユニット群のなかからタイミングよく好みの部屋に出会ってしまったら、それはもう運命かもしれません。
なにせ新宿区ということで、牛込柳町駅は新宿西口までは電車で約6分、渋谷と池袋まではどちらも20分弱と、ターミナル駅のアクセスは良好。汐留や大門あたりに勤務されている方でも、直通で30分程度と便利そうです。
決して華やかとは言えない駅前にも、スーパーやドラッグストア、飲食のチェーン店など日常生活に地味に便利なラインナップが並びます。
団地の周辺は静かな住宅街。
いわゆる「お屋敷」のような大きな住宅や年季の入った建物がたち並びます。ついついなかを覗きこみたくなる緑いっぱいの路地裏や、石造りの浅くて細い階段に出くわしたりと、ぶらぶらと周辺を散歩しているだけでも楽しめます。
運営管理を行うのは「一般財団法人住総研」さん。
長く住宅の専門的な研究活動をされている財団で、市ヶ谷加賀町アパート全体の管理も行っています。
シェアハウスユニットでは最初にイメージを決めてから、それに合った名前を探していくのだそうです。名付けの参考にするのはお菓子。なるほど、美味しそうな名前が並んでいるわけです。
入居者さん同士の挨拶は「はじめまして、カカオの○○です」「ピスタチオの○○です」といった具合になるのだとか。想像するだけで、なんだかほっこりとした気持ちになります。
団地ならではの様々な世代が暮らす環境も、とても面白いポイント。今後は少しずつ、団地全体を巻き込んでのイベントも開催しているそうです。ずっと昔から住んでいるシニアの夫婦や、まだ小さい子どもがいるファミリーなど、普通のシェアハウスではなかなか触れあうことのない人とも出会いがあるかもしれません。
興味のある方は、積極的に様々な機会に参加してみると良いと思います。
小さなサイズの暮らしが好みの方、生活に落ち着きや温かみを求めている方、日当たりや風通りを何よりも大切にしたい方。
2013年6月時点でシェアハウスユニットは満室ですが、空室を見つけたらコチラからお問合せをどうぞ。
とにかく、吹き抜ける風が抜群に心地よい市ヶ谷加賀町アパート。
すこし、思い入れを持って暮らしてくれる方に選んで頂いたいですね。
※2020年8月現在、カカオ、ミント、シトロンは閉鎖しております。
(テルヤ)
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